突然、別の異世界へ飛ぶ・・・。
これが、ゆきかのの特異体質・・・。
妖を感じる世界へ、強制移動・・・。
コタンの皆は、優れた力と言うけれど・・・、
食事中でも、寝ていても、お構い無しに突然訪れるのだから、質が悪い・・・。


母様は、蝦夷狐族の巫女・・・。
その力の影響だって長老は言ってたけど・・・。
母様は、突然異世界へ飛んだりしないよ・・・。


父様は、仙狐・・・。
神籍に属する方・・・。
導師様は、父様の神としてのチカラが、巫女の力を増幅させていると言うけれど・・・。


上昇しているのに、髪が空に引っ張られる・・・。
見えない・・・。
力が・・・。


一体・・・どこまで上昇するの???
緑の大地が・・・蒼色に変ってるよぉぉぉ。


上昇が・・・止まった・・・。
これを押せば、この部屋から出られるのかな???


大蝦夷カムイ様・・・。
少しだけ貴方の世界に、近づきました・・・。


こんな時、古のエライ人が言っていた・・・。

『押すなよ!絶対に押すなよ!!!』

・・・って、叫ぶのがお約束だって・・・。


聞いた事がある・・・。
ある異世界では、この天空から、輝く文字が見えるって・・・。
『オカエリナサト』
こんなに高い所から見えるって・・・どれだけ巨大な文字なの???
しかも、最後の一文字が「ト」って・・・意味が分からないよ・・・


あすかの姉様から、聞いた事がある・・・。
文明の発達した異世界では、
天空へ繋がるルイカ(橋)があり・・・、
そこには、チセ(家)があるって・・・。
でも、まさか・・・
雲よりも高い場所なんて・・・。
しかも、チセ(家)なのこれ???


!!!!!!。
妖の匂いがする・・・。
このチセ(家)の中だ・・・。


・・・妖、見つけた!!!
動かないでっ!!!


封印術式詠唱*****
斬!!!!!!


この女性に宿っていた妖は、封印(斬)完了・・・。
でも、とても驚かせてしまいました・・・。
申し訳ない・・・。
妖は、普通だと、見る事も感じる事もできません・・・。


とても、怪訝そうな視線を送ってきます・・・。
でも、真実を伝えることは、怖い思いをさせるだけ・・・。
これは封印の巫女の宿命・・・。


こんな時、古のエライ人が言っていた・・・。
事件が解決したら、 ブラインドをチャッ。
隙間から外を覗けと・・・。
ぶらいんどって何か判らないけど、やってみた・・・。
チャッ。

物語.04へ続く。