!!!!!!。
あ。
別の異世界に飛んだ・・・。
これは・・・雲海?
どこかの山頂???
草木が疎ら・・・森林限界付近???


・・・水の匂いがする。
こんな高地なのに・・・?
御清め、できるかも・・・。
血・・・流したい・・・。


・・・妖の気配!!!
この臭い・・・魔物だ・・・。


これは・・・菌糸体の魔物。
俗に言う、キノコの妖だ。
風向きを確認・・・。
風上からそっと近づく・・・。
胞子の様なものを浴びないようにしなくちゃ・・・。
毒や幻覚があるかもしれない・・・。


子実体の集合体・・・。
複数で行動しているように見えるが、意識の統一個体は、ひとつだけ・・・。
それを封印(斬)する。
・・・ゆきかのには、統一個体が臭いで判る。


封印術式詠唱*****
斬!!!!!!

・・・っ!?
封印できない。
・・・術が効かない。

妖の匂いは、強いまま・・・。
一体・・・どうすれば・・・。


菌糸体の魔物を侮ってはいけない・・・。
子実体の集合体であるが故、小さな個体も無数に集まれば、巨大化し、強い自我を持つようになる・・・。
異世界ではモルボルという、胞子を少しでも吸えば命に係わる魔物の噂を聞いたことがある・・・。


昔、コタンに・・・
菌糸体の魔物を一撃封印していると豪語する異国の法師が来ていたっけ・・・。
赤い帽子、蒼いオーバーオール、鼻の下に髭の男性・・・。
確か、 封印術式を両足に施し・・・
高く飛んで上から真っ直ぐに踏む。
飛ぶ際にこの詠唱を忘れるな。

「ぽい~ん」


詠唱が、かなり重要と言っていた・・・。
練習しよう。
「ぽい~ん」「ぽい~ん」
何か違う・・・。
もっと機械音で・・・。
「ぽい~ん」「ぽい~ん」
ハチビットオンゲンとか言っていた様な・・・。
「ぽい~ん」「ぽい~ん」
よく判らないけど、掴めてきた気がする・・・。


封印刀を使用せず、肉体を使用した封印術・・・。
かなり高度だよ・・・。
でも、やるしかない。
刀へ施す術式を応用して、肉体へ・・・。
・・・少し身体が熱い。
封印術式詠唱

ぽい~ん!!!!!!


しまった!!!
尻で踏んでしまった!!!
高く飛び上がり、足で踏んだ筈なのに・・・、
見えない力が、この姿勢を強制する!!!
・・・なんて、異世界なのっ。


失敗・・・。
あれ?
・・・妖の臭いが消えてる!!!
封印完了・・・。
封印術式を、両足ではなく、全身に施したのが良かったのかも。
未熟なため、部分的に封印術を施せないことが功を奏した・・・。


菌糸体の妖の封印・・・無事に完了・・・。
普通のキノコになった・・・。
・・・って言うか、普通に毒キノコだよね、コレ。

古のエライ人が言っていた・・・。
クリボーが、キノコなのかクリなのか論争があったらしいけど・・・。
キノコだったらしい・・・。
紛らわしい名称・・・。

物語.05へ続く。