!!!!!!。
あ。
別の異世界に飛んだ・・・。
ここは部屋???
あっ・・・土足でごめんなさい・・・って、誰もいないか・・・。
部屋の奥・・・
ぐちゃぐちゃに壊れているけれど・・・、一体何があったの?
これって・・・転移門だよね?
上の階から抜け落ちた?


転移門って、かなりの上級術式だけど・・・高質量だからね。
土台に反重力系の術式を施さずに展開したんだろうね・・・。
この部屋の住人・・・災難だっただろうね・・・。
機械が生きている・・・慌てて非難したのかな?


昔のエライ人が言っていた・・・。
伝説の青魔導士、
「猫型ろぼっと ドラ〇もん」と呼ばれる方も、
反重力術式の使い手で、常に3ミリ浮いていたとか・・・。
赤い転移門を自在に操り、女子浴室に幾度も飛び込むお約束で、人気者だったとか???
それって犯罪者だよね???


転移門の向こうから不思議な気配を感じる・・・。
妖の臭いは無い。
でも、人の気配とも異なる・・・。
・・・何だろう?
封印の巫女として、無視はできない・・・。
少し怖いけれど・・・入ってみよう。


これは、コタン(村)???
でも、人の匂いは無い・・・。
・・・何故???
空から、軽快な音楽が響いてくる・・・音源はどこ???


これが音源???
ボタンを押すと・・・、
あっ、音楽が止まった・・・響いた・・・。
スゴイ!!!
こんな小さな機械で、この広いコタンに音楽を響かせているなんて・・・、どんなカラクリなんだろう???
まさか・・・某国の音響兵器・・・。


あっ。
人がいた。
「お姉さん!!!」
「お姉さん!!!」
「ここは一体・・・」

・・・笑顔のまま・・・全く応えてくれない・・・。


こっちにも、人が。
「お姉さん・・・。」
「あのぉ・・・。」

このお姉さん・・・見えない誰かに、話しかけ続けています・・・。
しかも、ずーっと、笑顔のままで・・・。
ゆきかのには、見向きもしません・・・。


貴方はまさか・・・、鬼族のレム様では?
古の時代の伝説として語り継がれてきた話です。
鬼化する事で、多くの男児を狂わせたとか・・・。
皆が「レムリン、レムリン・・・」と叫び狂喜したとか・・・。
なのに、魂の抜けた様なお姿に・・・まさかこれは・・・。


古に使用を禁じられた術式がある・・・。
肉体から魂を抜き去り、人形の器とする・・・。
意思は持たないため、自発行動は無いが、
最低限の意識のみを残すことで、言葉は理解する。
そのため、命令には忠実に従う傀儡・・・。

禁術の名は、「えぬぴぃしぃ」


コタンの皆は、「えぬぴぃしぃの呪い」と呼んでいました。
まさか、その呪いを目の当たりにするとは・・・。
体温・・・有ります。
呼吸も・・・していますね。
普通に生きてます。このお姉さんも・・・。


でも、
押しても引いても、
お尻触っても、
他にも色々触っても、
下の方から覗いても、
・・・全く反応しません。

この呪い、 最低限の意識が有る・・・
つまり、何をされているか、本人も判っている・・・
本当、女性にとっては、残酷な呪いです・・・。


お、おいっ。
仮面を外して良いのか???
お主、黒の騎士団とか言ってる仮面の活動家だよね???
顔を晒して大丈夫なのか???
ここは、鼠ランドの裏通路ではないぞ。
まさか、お主も「えぬぴぃしぃ」の呪いで固まっているのか???


幸い誰もいない。
顔を見られていないかも・・・。
ゆきかのが、仮面を被せてあげよう・・・。
ぐい。ぐい。
駄目だ・・・、仮面も固まっている・・・。
目の部分だけ開閉する仕組みを見たかったのだが・・・。


上位の術式「ギアス」で、
多くの者を操っていたと聞く・・・。
校舎の壁に×印を書き続けさせる鬼畜の命令を下された娘は、
その後、ストリートアート界で伝説となったらしい・・・。
×のみで構成された究極の現代アートと絶賛されたとか・・・。

物語.08へ続く。