!!!

気付いたら、
・・・水無灯里になっていた・・・。

あれっ?
私は、狐族の・・・ゆきかのだよね・・・。

この服は・・・ウンディーネの衣装???
コスプレ???
違う違う・・・。


狐耳が無い・・・
長い尻尾も無い・・・
キツネ色の髪が真っ赤に・・・
瞳が綺麗な翡翠色・・・

っていうか、全くの別人!!!
しかも、憧れのウンディーネ、灯里さんになってるよぉぉぉ


って、ここは、海???
なぜ、ゴンドラの上に乗ってるのぉぉぉ???
冷静になれ・・・自分・・・ 状況分析だ。


外見は、ARIAカンパニーの従業員、水無灯里。
観光案内を生業としているウンディーネ。
片手に手袋・・・
半人前のシングルという事か・・・


声は・・・
「あーあー」
灯里さんの声っぽい。
「はひ」
「ほへ」
「摩訶不思議」
やっぱり、灯里さんの声だわwww


理由はともかく・・・
ここに灯里さん?として、ゆきかのが存在する・・・
となると・・・
水無灯里さんの本体は居るのかしら?


あっ、判った。
ケット・シーの仕業だ。
あの猫妖精、時間と空間を操る能力を持っている。
猫の集まる亜空間を作り出したり、
灯里さんを幽霊から救う際にも、転送系の力を行使している。


つまり、
灯里さん本体に、ゆきかのの魂を上書きすることだって可能だよねー
この仮説が正しい場合、
水無灯里は、この身体一体のみ。
うーむ。
これは大変な事態だわ。
まず、直近で解決しなくてはならない問題は、
観光客への対応だよね・・・。


再度、状況把握。

太陽の位置から、現在早朝・・・
まだ、お客様は来ない時間・・・
ウンディーネの制服を着用し、ゴンドラに乗っている。
これは不幸中の幸い・・・

ゆきかのに、ゴンドラを操舵出来るのか???


・・・適当にオールを動かして・・・

あっ、進んだ進んだ!!!
結構簡単に進む。

この身体、華奢に見えたけど、驚く程パワフル。
かなり鍛えてるわー
ゆきかのも、厳しい巫女訓練で、肉体改造してきたけど・・・
この身体、それに匹敵する鍛錬だわ
よしっ。練習だぁぁぁ


お客様が来る前に、観光ルートを一巡してみよう。
よしよし。
いい調子。
この灯里さんの身体なら、上手くいくね。
さぁ、 この狭い水路に入っていくよ。


ああああ!!!
違う違う!!!
そっちじゃなーい!!!


ええええ!!!


一体、どこまで進むの・・・
止まってよぉぉぉ!!!


陸に突っ込んで終わるネタじゃなかったのwww

物語.11へ続く。